「Sustainable Yawatahama」取材メモ ⑤合田地区の漁師・濵田太市さん

スタッフ・竹下です。八幡浜市ふるさと観光公社では現在、「Sustainable Yawatahama」と題した観光パンフレットの制作を進めています。“100年続く食の現場”と、“未来に残したいまち・ひと・歴史”をテーマにしたもので、たくさんの方々に取材をさせていただきました。その取材中に見聞きした、パンフレットには収まりきらないこぼれ話、裏話がたくさんあるので、「取材メモ」としてご紹介しています。

第5回目に登場するのは、合田地区で養殖業を営む濵田太市(はまだ たいち)さんです。
今から2年半ほど前、「漁業体験をお願いできそうな漁師さんはいませんか?」と当時の上司に相談すると、「同級生で養殖をやっているひとがいるよ」と紹介してもらったのが濵田さんです。早速会いに行くと、よく日に焼けた肌と無精ひげが印象的で、どこか眼差しにやさしさの漂う濵田さんが現れました。「五島列島からIターンしてきた竹下といいます。八幡浜でも漁業体験を提供したいと思って来ました」と伝えると、「わかった。やろうや!」と顔をくしゃっとさせて、いっしょに船に乗って養殖筏を案内してくれました。

それから数ヶ月後、専門家のアドバイスや何回かのトライアルを経て、「養殖餌やり&船釣り体験」がかたちになりました。まずは船着き場から漁船に乗って、養殖筏まで移動します。陸から離れるごとにどんどん八幡浜らしいみかん山の景色が目の前に広がって、それだけでちょっと得した気分になります。筏に到着すると、濵田さんが養殖しているマダイやイサキ、スズキに餌をやります。筏に渡って脇から餌を撒くと、ものすごい数の魚が海面に現れて、パクパクと餌を食む光景は迫力満点です。魚は大きくなるにつれて筏1台当たりの数を調整したり、餌の種類を変えたりするなどして大切に育てられています。

養殖餌やり体験の模様。中央に濵田さん。

餌やりのあとは、漁船を養殖筏に横づけして船釣り体験に取り組みます。基本的には初心者でも気軽に楽しめるサビキ釣りで、アジやサバ、イワシなどの小型回遊魚を狙います。

船釣り体験の模様。右端に濵田さん。

愛媛県といえば、柑橘類の収穫量と品目数がともに日本一の“柑橘王国”として知られていますが、魚の王様マダイや高級魚シマアジ、さらに真珠や真珠母貝の養殖生産量が日本一の“養殖王国”でもあることをご存じでしょうか?そんな農漁業が盛んな愛媛県にあって、八幡浜といえばどちらかというと「魚」よりも「みかん」のイメージが強いように思います。濵田さんや仲間の漁師さんたちと話していると、そんな「みかん」に対するライバル意識というか反骨精神というか、宇和海に生きてきた漁師としてのプライドを強く感じます。どちらかというと自分も「魚派」なので、濵田さんたちとは余計に気が合うのかもしれません。

コロナ禍で、養殖業も大きな打撃を受けていると聞きました。「養殖餌やり&船釣り体験」も、現在は感染拡大防止の観点から受入を中止しています。早くコロナが収束して、また濵田さんたちと海に出れる日が来ることを切に願っています。

※パンフレットは3月頃に完成予定です。